先輩に話をふられるだけでテンション上がりまくり（笑）

　普段、こんなにカラフルな服を着ないので、新鮮というか「この色、似合うな」みたいな新しい発見があって。それに人生で初めて髪を染めて、新しい扉が開いた感があります（笑）。

　演じる山中たくみは、漁師という仕事に対して「やりたくてやっているわけじゃない」という気持ちを持っているんです。40〜50代の漁師さんのなかにぽつんといる若者で、僕自身もそうなんですけど、ずっと携帯電話をいじっていられるから、そういうところで「こういう若い人いるよね〜！」っていうふうに観ている方に思ってもらえたらいいなと思って演じています。僕自身は、どちらかというとたくみとは逆で、年上の方の武勇伝やお話を聞いて「おもしろい！」と感じるほうなので、話を聞きたいがために自分から話しかけちゃうほうかもしれません。親しくなったら質問攻めにしちゃうタイプです（笑）。

　共演の先輩方は本当に素晴らしい方ばかりで、「先輩」というよりも「テレビで観ている人だ！」という感覚のほうが強くて。父親役の梶原善さんのことも、大河ドラマで拝見していましたし…。

　この間、同じ漁船団で働く永沢役の鈴木伸之さんに衣装室で会ったとき、鈴木さんが急に僕のほうを振り返って「19歳なんだって!?」と声をかけてくださって。「鈴木さんから声をかけてくれた！」ってテンションが上がりました（笑）。鈴木さんだけじゃなく、キャストのみなさんで話しているときに「最近の若い人だと知らないっしょ？」とか僕に話をふってくれて、その度にうれしい感情がわいてきます。

　ドラマのなかでは、漁師という世界のなかで生きづらさを感じているたくみですが、その世界を、観てくださっている方の会社や学校に置き換えて考えていただいて、今後たくみがどんなふうに打開していくのか、寄り添うような見方をしていただけるとうれしいです。