　どうも、たくやです。

　突然ですが、みなさまは片付け・掃除は得意でしょうか？

不思議なもので人間はそう簡単にひと括りにすることは難しく、この問いにすら「得意では無いが好き」とか「得意ではあるが嫌い」など細分化されていきます。僕ですか？　苦手だし嫌いです。というかもう、長年の苦手意識から"片付け"という文字を打ち込んだ先ほどから具合いが悪くなってきてます。ですが今日は、片付けについて書いてみようと思います。

片付けとは

　知らない人はそうそういませんが、片付けとは、一度汚したり広げたりしたものを一定水準の清潔感やまとまりを持った状態にすることと認識しています。意味を見たって名前を聞いたって、片付けは悪事ではなく善事です。それは頭でわかってはいますが、正直僕は片付けという言葉を聞くだけで、まるで史上最大かつ長年自分を苦しめて来た強敵の名前を聞くような嫌悪感、恐怖感を抱きます。そのたびに確信します。僕は片付けを心から嫌っているのだと。ですが、それとは裏腹に社会では片付けを出来る人間への評価は非常に高く、社会的に信頼できる人間になりうる条件としても入っているのでしょう。かくいう自分も、片付けが出来る人間と出来ない人間を並べられ、その他の点を度外視してどちらと仕事をしたいかと聞かれたら、片付け出来る方を選ぶでしょう。しかし僕は知っています。世界には本音と建前というものがあります。僕にとっての片付けを純粋な善とするのは「建前」であり、片付けを心から憎む感情こそが「本音」として僕の全身を駆け巡っています。片付けを面倒と思う感情は大抵の人間に備わっていますが、僕が片付けに対して抱えている負の感情は他の追随を許さないまさに群を抜いている状態にあります。なので僕は考えました。片付けを分析すれば、漠然的に善と捉える人が多くてもどこかに落ち度があるのでは無いでしょうか？　片付けを悪としうる何かを探すことを、僕は決意しました。

片付けのメリット

　敵を倒すために必要なのは敵をよく知ること。片付けがなぜ人から良いこととされているのかを分析することで、どこかに片付けの弱点を見つけることができるのではないでしょうか。

①清潔になる

　先に申し上げておきましょう。これには勝てません。多くの人が片付けをする際に心の中にある心理です。例えば家を掃除するときに「なぜ掃除をするのか」と聞かれれば「清潔になるから」という答えが大抵の人から出るでしょう。本来自宅など言わば自分のテリトリーであり、どこに何を置こうが捨てようが転がそうが、他人に迷惑をかけることはありません。ではなぜ片付けるのか？　そこで長年暮らす以上清潔さを保つことは、根本的に生命を繋げることにも等しいから片付ける。それが答えです。生命を繋げることは絶対的な正義です。

②より多くの物を置くことができる。

　単純な話で、物をできる限り収納することでひとつのものに対する専有面積が減り、それによってより多くの物を買い、置くことができます。これは旅行のパッキングが得意な人にも通ずるポイントです。収納が得意な人は、旅行の際にひとつのカバンとは思えないほどの荷物を収納している場合があります。それにより、恐らく片付けをしない人間よりも多くの物を所持していると考えられます。

③探し物が減る

　片付けをして簡潔に収まった物を並べていると、自分の持っている物の場所を簡単に把握することが出来ます。いつも僕がやっているような「あれどこやったんだっけ〜」という時間を削減することが出来ます。そして本来は持っているのに、見つからず無くしてしまったがために再購入し、その後買っていた物が見つかるという悲惨な出来事を起こらないようにできます。

④人を招待しやすくなる

　自宅を常に清潔にしていると、友人などを簡単に家に招き入れることが出来ます。友人を自宅に呼ぶ際、真っ先に頭に浮かぶ不安要素は片付いているかです。そこが解決されていれば、大抵の人が何のひっかかりもなく友人を自宅に呼ぶでしょう。そこで友人と自分の制限のない素敵な時間を過ごすことができます。

⑤信頼されやすい

　これはあくまで僕の肌感覚ですが、間違っていないと思います。友人や仕事仲間などと時間を過ごす中で、例えば一緒に飲食店で食事をしているだけでも片付けという出来事は起こります。そしてそれを涼しい顔で出来る人間は、清潔感やマナーという言葉で紐付けられて高い評価を得やすいと思います。これまた僕の勝手な見識ですが、片付けできる人は大抵少し賢そうに見えます。

片付けのデメリット

　ここからが本題です。先程あげた5点の片付けをするメリット。今読んでいた貴方も、片付けの優位性を感じさせられたことでしょう。これを覆すことが僕の目標です。カウンター狙いです。逆呪文のように上の5点をひとつずつ僕の持論で修正していきます。

①清潔になる

　そうですか。

②より多くの物を置くことができる✖

　置くスペースがないから物を買わない◯

　当たり前のことで、買い物をする時は所持金や家のどこに置くかなどが判断基準に入ってきます。そのなかで家の置けるスペースが問題ないとなると、いよいよ金銭面だけの判断基準で買い物をするようになります。お財布の中を確認しておけば他は大丈夫と言われれば、人は間違いなく散財するでしょう。対して、僕のようにあまり片付けをしない人間は欲しい物を見つけても「家に置けない」という物理的かつ覆せない問題が立ちはだかることで、買うことを断念します。欲しくても安易に手を伸ばすことはないこの精神性、まさに己を律する心を持っていると言えるのでは無いでしょうか？

それにパッキングが上手な人もどうかと思います。旅行先で友人が収納上手な人だと、僕はいたたまれない気持ちになります。僕のように優柔不断な人間が両手両足両肩両ポケットに荷物を忍ばせているというのに、隣で涼しい顔でカバンひとつで歩かれたらそれだけで僕の笑顔は曇ります。

③探し物が減る✖

　探す力が鍛えられる◯

　確かに、片付けをしてどこに何があるのか把握していれば荷造りなどは探す手間が省けて非常に楽です。ですが考えてください。そんな簡単に探し物を見つけられる日々の中で、人間が持つ『探す力』はじっくりと衰弱していっています。僕のように片付けが苦手な人間は、探し物の連続です。大事にしていたものがその手からこぼれ落ちては拾い上げる毎日です。そこで求める物を探す実力、諦めずに探し続ける胆力が僕には備わっています。これは人生において本当に大事な力です。例えば、混んでいるフードコートで席を探す時に役立ちます。

④人を招待しやすくなる✖

　招待しません◯

　これはあくまでも僕の問題でもありますが、基本僕は友人を家に呼ぶことはほとんどありません。色々理由はありますが、家にいる自分は信じられないくらい脱力していて恐らくまともに会話できません。その空間に友人を呼ぶことに抵抗があります。というか、友人を呼んでも頭にスイッチが入らなくて恐らく放置します。個人差のある問題ですが、僕は招待などするタイプの人間ではないので、人を招待しやすいことはメリットにカウントされません。

⑤信頼されやすい✖

　そこで得られる信頼は微々たるもの◯

　片付けが得意な人が信頼されやすいという事実は確かにあります。ただこの一点でうかがえる人間性には限界があります。逆に片付けが得意な人の中には、過度なこだわりを持っていることが起因している人もいるかも知れません。こだわりがあることは素晴らしいですが、度を過ぎると気難しさとも受けられてしまう可能性があります。つまり、片付けが出来ることと信頼は100%のイコール関係でもないのです。対して僕はどうでしょう。好きな物へのこだわりはひとしおですが、その他の大抵にこだわりを持っていません。柔和さと頑固さの強弱がもはや美しいですよ。僕のほがらかさは、片付けをしないことで生まれているかもしれませんね。

さいごに

　以上です。どうですか？　どちらが心が傾きましたか？　みなさまの感想も聞きたいです。

ただ片付けが嫌いだけど僕のようになりたくないと思った人は、片付けしなさい。